Column エジプト文化交流5
エジプトのお土産いろいろ
(Karyma)

エジプトのお土産といえばまずパピルスが思い浮かびますよね。
でもそれ以外にもたくさんのお土産物があります。
何を買おうか迷ってしまう人も多いと思いますので、
参考までに思いついたものを紹介してみましょう。

パピルス パピルスとはペーパーの語源となったものです。エジプトのお土産の定番で、葦科の植物であるパピルスの茎の繊維を使って作られています。
作り方はいたって簡単。茎の皮をはいで、中の部分を薄く削ぎ落とし、しばらく水に浸けてやわらかくしてから、互い違いに重ねあわせます。その後、上から重しをしてしばらくおいてから乾燥させて終わりです。
描かれている題材は、お墓の壁画に書かれているものの写しや、カルトゥーシュなどさまざまで、最近ではカルトゥーシュの中に、その場で自分の名前のヒエログリフを書いてくれるところもあります。パピルスは大きいものほど高いのは当たり前ですが、古くなって茶色く変色しているものも高いです。あまりにも安いものは木の皮で作っているという噂もありますので、きちんとしたお店で買った方が良いでしょう。本物は多少折り曲げたり、引っ張ったりしても割れることはありませんが、木の皮を使って作ったものは割れたり切れたりしてしまいます。
香水 古代エジプトにおいて香料は、貴族の生活にかかせなかったようです。それは、頭の上に香料を乗せている宴会の図や、王が神々に香料の入った丸いツボをささげている壁画などが残されていることからもわかります。現在もエジプトは香水の原料の原産国で、フランスなどに輸出しています。香水屋では、アルコール分を含んでいない原液を売っていて、名前もロータスやクレオパトラ、ラムセスなどさまざまです。お店では小瓶で量り売りをしていて、匂いのテストもさせてくれます。自分の気に入った香水を好きな分量だけ買うことができます。
香水瓶 香水があればやはり、香水瓶もあります。瓶といっても色や形、大きさや装飾はさまざまで薄いガラス細工の奇麗なものがたくさんあります。ネジ式の蓋ではなく、香水をつけるための棒が一緒になった差込式の蓋なので、買うときにきちんと蓋ができるか、棒が折れていないか、瓶の大きさに(長さ)に対して短すぎないかなどをチエックしてから買ってください。
じゅうたん・毛織物 サッカラ街道にはカーペットスクールがたくさんあり、日本人観光客向けに看板も日本語で書いてあります。ツアーでサッカラ観光に行くときは、必ずと言っていいほど、ここのどこかに寄ると思います。値段も交渉次第でまけてもらえますので、欲しい方はがんばって交渉してください。スークなどで絹の絨毯を買うときは、本物の絹かポリエステルかきちんと確認した方がいいでしょう。どうしても区別がつかないときは、ちょっと過激ですがライターでサットあぶってください。本物の絹はあぶったくらいでは縮みませんが、化学繊維は縮んでしまいますので、ライターを出した途端に、お店の人が慌てて止めに入ると思います。オアシスでは、ラクダの毛を使ったセーターや手袋、マフラーなどの毛織物もありました。
Tシャツ エジプトは綿花の栽培が盛んです。エジプト綿として品質の良いことでも有名です(本当に品質の良いものは、日本で買い占めているという噂もありますが……)。エジプト柄のTシャツ以外にも、カルトゥーシュの中に自分の名前を刺繍してくれたり、アラビア語で刺繍をしてくれたりする店もあります。ルクソールにベネトンが多いのは、ベネトンがエジプト綿を使った工場をルクソールに持っているためで、エジプトにしかないと思われるデザインのものも売っていますので、のぞいてみてはいかがですか? ただし、ベネトンでは値段交渉は、まずできません。
ガラベーヤ エジプト人の着ている、ゆったりしたデザインの服です。私は砂漠の夜遊びに着ていました。日本では寝巻きとしても活躍すると思います。裾も袖もゆったりとしていて風通しがよく、着心地は抜群です。
ベーリーダンスの衣装 日本では絶対に着られない(日本以外なら着るのかと言われると困りますが(笑))、スパンコールばりばりでスケスケの衣装です。エジプトのベリーダンサーが身につけて踊っています。日本でもし着るなら、結婚式の二次会の出しものとかでなら着られるでしょうか(私には着られません……)。
布製品 キルティングのように、布を張りあわせて絵をつけていくものがあります。店先でおじさんが刺繍をしているところは、なんとも微笑ましい光景です。タペストリーや、ピクニック用の敷物(チャックがついていて、中に物が入れられるようになっていました)などいろいろあり、すべて手作りです。
金製品 エジプトは金も比較的安いです。カルトゥーシュに自分の名前を入れてもらえば、いい旅の記念になるでしょう。金はその場で重さを量り、その日の相場で売っていますが値段交渉はできます。その他、指輪やペンダントヘッドなどの種類もさまざまで、私は毎回エジプトに行った記念に必ず別の種類のペンダントヘッドを1つ買って、一緒に身につけています。この数を数えると何回エジプトに行ったかがわかるのですが、最近はごちゃごちゃしてきてしまって、どうしようか悩んでいます。
銀製品 アクセサリー類から食器まで種類はさまざまです。お店によっては、アクセサリーしか扱っていないところ、食器類しか扱っていないところなどがあります。
革製品 皮を使って作ったラクダの置物や財布など、手ごろな値段で手に入ります。遺跡の観光に行くと、「全部で1000円」とおじさんが日本語で売り来ることもあります。最初は合成樹脂かと思っていましたが、昔会ったガイドさんが、「本物の皮の方が安いです」と言っていたので、皮自体は本物でしょう。ただし、よく見て買わないとほつれていたりすることがありますので、気をつけましょう。
石製品 古代の王や壁画などのレプリカ、スカラベやミニピラミッドなど種類はさまざまです。石の種類も、アラバスター(石花石膏)や黒曜石などいろいろあります。遺跡の観光中におじさんが大事そうに「これは古代のものだ。内緒で売ってやる」と新聞紙に包んだ、いかにも古そうな壁画の断片や小像などを取り出してくることがありますが、99.9%偽者です。騙されないように。偽者とわかっていて買うのなら、止めませんが……。
象眼細工 木に白い貝を象眼した奇麗な細工ものです。小さな小箱から椅子やテーブルまでいろいろなものがあります。箱の形も四角形や長方形、八角形、丸型などがあり、大きさもさまざまです。椅子やテーブル、チェス版や写真たてもありますので、ちょっとしたお部屋のインテリアに使えるでしょう。
打楽器 ダルボッカと呼ばれる太鼓やタンバリン、弦楽器などいろいろあります。太鼓やタンバリンには象眼細工が施されたものもあり、とても奇麗です。ただし楽器は、湿気の関係で、エジプトで叩くのと日本で叩くのでは音色が違うかもしれません。
香辛料 スークに行くと独特の匂いがしてくるのが分かると思いますが、それは香辛料の匂いです。エジプトの香辛料は驚くほど安く、サフランや胡椒など種類もたくさんあります。サフランにはパウダーもありますので、料理をする方にはいいかもしれませんね。エジプトで具合が悪くなったときに香辛料屋さんに行って症状を言うと、漢方薬のようにそれに見合った香辛料(?)が出てきます。お腹が痛いときや歯が痛いときなど、薬としても使えます。香辛料屋さんでひときわ目を引く青いもの(インディゴ)は染め物に使うものですので、間違っても食品として口に入れないでくださいね。
食べ物 ナツメヤシは日本に輸入されないので、食べたことのない方は多いと思います。味は干し柿のようで熟れたものはとても甘く、疲れたときに食べると元気が出てきます。黄色くて堅いものはまだ熟れていませんので、柿と同じように渋いです。ナツメヤシをチョコレートで包んだものが売っていますので、税関で足止めされないためには、そちらの方がいいでしょう。
飲み物 エジプトは紅茶の国です。お店に入ると必ずと言っていいほど紅茶が出てきます(注意していないと大量の砂糖を入れられてしまうので、気をつけましょう)。エジプトの紅茶のブランドは黄色い箱に赤い花嫁(アルーサ)のマークがついた「アルーサティー」があります。ティーパックもありますので、買うときにどちらか確認してください。また、箱に緑色の線が入ったものはハイクオリティタイプなので、普通のアルーサティーよりも少し高いです。それと、カルカデどいうハイビスカスの花から作ったお茶もあります。煮出して飲むお茶で、砂糖を入れないととても酸っぱいです。最近ではカルカデのパウダータイプも売っています。
お香 粉のタイプと、線香のタイプがあります。粉の方は使いづらいので、線香タイプの方がいいでしょう。匂いは……はっきりいってきついです。火をつけなくても匂ってきます。でもこれがあれば、日本にいてもエジプトの雰囲気(匂い)が漂ってきます。
絵葉書 観光地ではアコーディオンのように繋がった絵葉書を売りに来るおじさんがいますが、1枚づつでも売っています。よく見ないと印刷がずれていたりするので、気をつけてください。エジプトの遺跡の絵葉書なので、旅の記念にエジプトから日本に送ってみてはいかがですか? 大きさは統一されているはずなのですが、そこはエジプト! なぜか微妙に違っていて、笑えます。
切手 記念切手も売っています。日本に葉書を送るときは、ツタンカーメンの絵の切手を使います。ホテルでも売っていますので、ホテルで切手を買って、そのまま投函もお願いすると楽ちんです。自分で投函する場合は、郵便局に行くか、郵便ポストを探してください。航空便用のポストは、青いポストで飛行機のマークがついています。
コイン 普通の観光客の方は、まずコインを目にすることはまいのではないかと思います。コインの種類は5、10、25ピアストル(ポンドの下の単位です)があり、大きさも大小、色も金銀と2種類ずつあります。絵はピラミッドやモハメッドアリモスクなどです。カイロの考古学博物館に、今流通しているコインが売っていて(しかも高い!)笑ってしまいました。
かご細工 蓋付のかごや、普通のかごなど種類も大きさもさまざまです。蓋付のかごには、ロシアのマトリョーシカのように、かごの中にかごが入っていて、段々小さくなっていくものもあります(別々に売っているのかもしれませんが……)。
ステッカー ダウンタウンの、コスモポリタンホテル近くの路上でたまに売っています。アラビア語で「アッラーフアクバル」「アルハムドリッラー」「ラーイッラーハイッラッラームハンマドラスウリッラー」と書かれているもの(私はこれをスーツケースに貼っています)、魔除けの手の形をしたもの、その他いろいろありました。夕方にならないとお店が出ないので、運のよい方は見つけることができるでしょう。
水タバコ シーシャと呼ばれ、喫茶店などでよくおじさんたちが吸っているのを見かけると思います。タバコは吸わないけれど、水タバコは吸うというエジプト人も多いようです。実際に吸うには、かなり勢いよく吸わないと煙が入ってこなかったり、吸い込みすぎるとむせてしまったりで、なれない人には結構きついかもしれません。吸う前にもシーシャの葉に火をつけるための炭を用意しなければいけないので、準備も必要です。シーシャの器具は、お部屋のインテリアとしてお土産にするのにはいいかも知れませんが……。ただし、ガラス製品ですので割れないように注意してください。機内持ち込み手荷物として持って帰る方がいいでしょう。シーシャの葉はりんごやイチゴなどの種類があり、空港のデューティーフリーで売っています。日本人は知らずに普通のタバコと間違えて買ってしまうこともありますので、普通のタバコが欲しい人は注意をしましょう。シーシャの葉は器具がないと吸えませんし、一見すると海苔の佃煮のようなので、もらった人が混乱してしまいます(笑)。
タバコ エジプトのタバコといえばクレオパトラです。クレオパトラには2種類あり、白い箱が普通の軽めのタイプ。箱が金色で長いタバコはストロングタイプです。白い箱の方でも、日本の軽いタバコになれている人にはきついと思います。空港のデューティーフリーではピラミッドの写真のついたマイルドセブンも売っています。